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2006.9.14
公共ホールにおいて、ピアノの状態を一定の水準に保つ方策を講じるのは、重要な問題であります。と同時に、独占及び癒着を疑われる難しい状況も抱えております。
当社におきましても、ホールのピアノ保守管理をいくつか実施しており、楽器納品後の品質保証、またはホールの運営方針などと照らし合わせ、外部調律師を一切入れないというケースもありましたが、時代の趨勢もあり、現在では新たなる保守管理体制を導入して、良識のある調律師にはなるべく調律の立ち入りを開放すべく努力しています。
しかし、こうした体勢が故に、一部の心無い技術者により、限度を超えた主観的な調整がなされ、その結果、楽器に多大な悪影響を及ぼし修復せざるを得ない自体が発生することは否めません。
管理する側は、技術者の過去のコンサートホールでの実績を考慮しつつも、信頼して任すことができる技術者を見極めるのは非常に困難であります。
何か問題が発生した際に、その個人または所属会社に弁償能力があるか否かも、重要なポイントといえるでしょう。そして技術者もこれらの諸事情を良く理解した上で、ホールのピアノを調律すべきと考えます。
ピアニストの立場からすると、いつも自分が信頼している調律師が付いていてくれる方が安心できるのは当然ですが、指名された技術者が、そのピアニストの注文によって余りに個性的な整調や整音をして、その後の使用に差し障りが出てしまうといったことは、絶対に避けなければなりません。コンサートホールのピアノはピアニスト個人の所有物ではなく、共同の楽器だからです。連日好みの異なるアーティストによる演奏が予定されている以上、毎回一個人の趣向に合わせて調整することは不可能であり、こういった場合、あくまでもピアノを基本の状態に戻せる範囲内の作業にとどめ、それを越えるような注文を受けた場合は、ピアニストの気持ちを損ねないように説得すべきであります。
当社においては、より高い芸術性を求めるアーティストは、弦楽器などと同様、自身が必要とするピアノを持ち込むべきと考え、当社所有の貸出用フル・コンサート・グランドピアノを持ち込む形式にて、レコーディングやコンサートなどを実施しています。
これはたとえ当社が保守管理しているコンサートホールにおいても同様であり、今現在考えられる、最上の方法と考えます。
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