コンサート・セッティング
◆コンサート&アーティスト部とは
◆なぜピアノを持ち込むのか
◆それはF1マシーンのように
コンサート&アーティスト部とは
ソロ、伴奏、コンチェルト、発表会・・・ホールのピアノは様々な目的で使用され、また弾き手のテクニック、プログラムの内容も多岐にわたるため、ある特定のピアニストのためだけに、特別の調整をすることはできない。たとえそのような調整ができたとしても、その日のコンサートが終了した時点で元通りに戻さなくてはならず、これは時間的、金銭的に不可能なことである。
そこで我々は、楽器を持ち込むことを始めたのである。これならば、アーティストやプログラムに合わせて自由に大胆に調整を変えることができる。さらに当社のコンサートグランドピアノは、各々数種類のアクションを所有しているため、ピアニストの好みやホール、プログラムなどに合わせて自在に組み合わせて、最適の音色・タッチに調整した楽器を選ぶことができるのだ。そして何より大きなメリットは、当社のスタジオにおいて、事前にその楽器で十分な練習ができることである。
自分だけの調整に仕上がった楽器を持ち込み、本番に臨む-この理想の姿をはばむのは、楽器が大きくて運ぶのに費用がかかるという単純な理由にすぎない。
当社では、独自の運送システムを開発し、この根本的な問題をもクリアした。最高の技術を持って特別に調整されたコンサートグランドピアノは、24時間、温湿度の管理されたスタジオに保管。輸送の際には従来のようにピアノを起こして梱包することなく、保冷車を使用して最適な環境を維持したままステージへ。このシステムにより、ほとんどピアノにダメージを与えることなく、常に一定したハイレベルの技術を提供する事が可能となったのである。
なぜピアノを持ち込むのか
さすがに東京では少ないが、地方のコンサートホールにピアノを持ち込む場合、まれに「私どものピアノは最高のピアノですから、それにケチをつけるようにピアノを持ち込むのはご遠慮願いたい!」と言われることがある。
あるいは持ち込み料云々と、まるで食堂に弁当を持ち込むがごとき話も聞いたりする。
まさにそのコンサートホールにピアノを売り込んだ営業マンの「最高のピアノを納品いたしました!」という声が聞こえてきそうである。
確かにそのピアノは最高のピアノなのであろう、日本一、いや世界一かもしれない。しかしピアニストにとって、そんなことは全く関係ないのである。ただ単に、初めて弾く慣れない楽器にしかすぎないのだ。
フランツ・モーア氏(元スタインウェイ&サンズ本社コンサート部チーフ)が現役だった頃、私は何度も彼からこのように聞いた。
「ホロヴィッツのピアノを決してルービンシュタインは弾かなかった。
ルービンシュタインもホロヴィッツのピアノを決して弾かなかった。
それは二人が両極端の調整を好んだからなんだ。
同じ家族でも子どもの顔がそれぞれ違うように、
個性が違ってもどちらも同じスタインウェイというピアノなんだよ。」
一流のピアニストにとっては、自分の好みにあった、自由にコントロールが効くピアノこそが最高のピアノなのである。求めるものが異なるピアニストには、その楽器は弾きにくいということがあり得るのだ。
もちろん、連打ができないなど物理的に弾きにくいのは論外であるが、音色のコントロール、鍵盤の重さや感触、音の出方、音質、タッチのバランスなどピアニストの好みは千差万別である。さらにソロ、オーケストラとのコンチェルト、あるいは伴奏などによって求められるものも全く違う。
アーティストはステージの演奏でのみ評価されるのだ。自分の芸術のため、より良い音楽を聴いてもらうために、自腹を切って持ち込むピアノに対して「持ち込み料を」などという人に芸術を語る資格はない。
なぜピアニストだけがハンディを負わなくてはならないのだろう。そんなコンサートホールは、最高のヴァイオリン、チェロ、管楽器、打楽器にいたるまですべてを備え付けにして、すべての楽器の持ち込みを禁止にしてはどうだろう?
それとも、ステージに何台ものピアノを用意して、自由に調整をし、何日も前から無料で練習させてくれるのだろうか?こんな大がかりなことに比べれば、より高い芸術性を求めるピアニストが楽器を持ち込んでくれるのならありがたいことではないか。
誰にとっても最高のピアノなどあり得ないのだ。数年に一度しか出番のないような高価なピアノまで、すべてのホールが買いそろえる必要はない。様々な人が弾くホールに備え付けのピアノは、普通のピアノで十分である。それ以上を求めるピアニストは、ピアノを持ち込めばよいのである。それをケチって、弾けない理由をホールのピアノのせいにするようなピアニストはアーティストとはいいがたい。
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それはF1マシーンのように
無限の可能性を秘めた、
当社の貸出用フルコンサート・グランドピアノ。
「もう、ほかのピアノは弾きたくない」
といわしめた究極のマシンは
繊細かつ大胆にアーティストの感性を刺激する。
大ホールの隅々まで届くピアニッシモ。
オーケストラにも埋もれないフォルテッシモ。
まるで絵の具のパレットのように
先で自由に色が変わる中音域。
アーティストの要求に応えて
極限までチューニングアップされた楽器。
しかし、それはF1マシンのように
弾き手に1ミリの妥協も許さない。
これを乗りこなせるものだけに与えられた
無限の可能性。
究極のチューニングアップに耐えうる楽器として、
以下のピアノを使用しているが、
これは決して誰にでも弾きやすい楽器ではない。
非常にコントロールが難しく、相応の技術力と感性を必要とする。
◆スタインウェイ(ニューヨーク)
MODEL-D
◆スタインウェイ(ハンブルグ)
MODEL-D
ホールの隅々にまでふりそそぐクリスタル・トーン。絢爛たる響きはまさに王者の風格を持つ。20世紀前半、ピアノ黄金時代の音色を再現したこの楽器は、やはり華やかな舞台がふさわしい。大ホールコンチェルト専用などのスペア・アクションを持つ。
日本のホールに置かれているスタンウェイは、ほとんどがハンブルグ製であるため、ある意味なじみやすいかもしれない。しかし馴染みがあるからこそ、究極のチューニングアップをされたこのピアノの弾き易さ、魅力がはっきりと感じ取れるであろう。
◆スタインウェイ(ニューヨーク)MODEL-B
◆スタインウェイ(ハンブルグ)
MODEL-B
セミ・コンサートグランドピアノ。MODEL-Dは長さ274cmに対して、こちらは長さ211cmとなる。フルコンサートグランドピアノが入れられない、イベントなどに最適。
セミ・コンサートグランドピアノ。MODEL-Dは長さ274cmに対して、こちらは長さ211cmとなる。フルコンサートグランドピアノが入れられない、イベントなどに最適。
◆ベヒシュタイン(ベルリン)
MODEL-EN
◆ベーゼンドルファー(ウィーン)200
まろやかな中音域とゲルマンの重厚な低音が魅力的。中ホールでじっくり聴かせるソロ・リサイタル、または弦楽器や歌曲の伴奏向き。
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